OMM JAPAN 2018 DAY2
夜間は冷え込まず風もなく穏やかだった。熟睡はできないものの疲労感はかなり取れた。撤収もお互い手慣れてきて手早く完了する。スタートは時間枠内の後ろのほうで出たかったが、早めにスタートエリアに到着したらそのまま早く枠に入るよう促され、6:15にスタートした。
宮西/半沢チームは先に出ている。片山/千保チームは姿を確認できず。枠は6:24までなので最大で9分後からスタートしたはず。
S-1
しばらくは林道登りでじっくりプランニングする余裕がある。市岡さんの足取りも回復している。CP1へは谷筋で近づきたい。谷までは西側車道から尾根越えも考えたが、昨日から山腹は藪がちという印象があったので、南側の谷筋から鞍部越えのルートにした。谷の上部はヤブだったが、以降はスムーズだった。CP手前からひどくヤブになったが、これはどのルートでも避けられそうもない。
柳下/市岡 0:54:54
片山/千保 0:58:03
杉山/丹羽 1:05:05
1-2
まず尾根状のヤブがひどい。水系沿いはヤブがないので活用してCPに近づく。CP2は別の水系の源頭ということを読み取りイメージ通りの場所に発見。連続区間トップで順調にリードを広げた。この時点でかなり楽になったと感じた(実際そう甘くはなかったが)
柳下/市岡 0:14:45
宮西/半沢 0:16:36
片山/千保 0:17:20
2-3
川沿いに進めば右側に道が見えるか橋にぶつかるだろうと考えていて方向確認を怠り、T字分岐のずっと先まで川沿いを引っ張ってしまった。これは私の勘違いによるミス。運よく道のカーブですぐに現在地を特定できた。距離のロスはなかったが、谷沿いを進んだため5分程度のロスか。それでも若干のリードは保っていた。
宮西/半沢 0:46:50
片山/千保 0:49:22
杉山/丹羽 0:51:19
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柳下/市岡 0:53:17
3-4
地形がわかりやすく上位チームはあまり差はつかなかった。しかし地形を辿る技術が不足していると苦労するようで全体的にはタイムのばらつきがあった。
柳下/市岡 0:15:30
宮西/半沢 0:15:31
杉山/丹羽 0:16:13
4-5
南側の道のある谷を登り北上かCPの真東の谷をつめるかの2択。悩んだ末に前者を選んだが倒木が多くペースが上がらず、最後は少し東にずれ1分程度のロス。同ルートの宮西/半沢チームが抜けていて、あとは僅差。
宮西/半沢 0:23:29
片山/千保 0:26:25
福島/鈴木 0:26:51
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柳下/市岡 0:27:12
5-6
山腹より地形に沿ったほうが動きやすいので谷を下り尾根を登る。ここから気合の牽引を開始し宮西/半沢チームを引き離す。片山/千保チームとの差を再び8分に広げる。
柳下/市岡 0:26:19
宮西/半沢 0:29:39
片山/千保 0:32:13
6-7
早めに尾根に出るプランで西側を選んだが、この谷が荒れており牽引ルートを選ぶのに苦労した。6分強一気に詰められる。
片山/千保 0:50:41
杉山/丹羽 0:53:42
今宮/加藤 0:54:14
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柳下/市岡 0:57:01
7-8
8につくなり市岡さんがシューズの紐が緩んだということ。この日2回目だったので、きっちり絞めてくださいとついきつい口調になってしまう。
尾根を登りきる手前で、ふと鈴の音が聞こえた。前か後かわからなかった。少し鈴の音がはっきりしてきた。振り返ると片山/千保チームの姿が見えた。
「き、きたぁー!!」
そんな衝撃だった。彼らは何分後に出たのだろう?9分後だったら4分半しかリードがない。今のペース差からしたら、、
彼らに少し遅れをとり、頭が真っ白になりながらなんとかCP8に到着した。
ここは我々の失速もあるが、彼らの追い上げが強烈だったことがタイムに表れている。
片山/千保 0:27:17
柳下/市岡 0:33:42
福島/鈴木 0:34:09
8-9
彼らは軽い足取りで前を行く。しかし柵を巻くには彼らは登り過ぎているように見えた。「ここだ!」出し抜く形で柵の隙間から尾根下りに入る。最初は踏み跡がわからなかったが、途中から明確な踏み跡に乗れて一気にCPに到達!
結果的にここで8分差をつけてまた追いつかれているので、仮にミスなく先行されていたらかなりきわどかっただろう。
柳下/市岡 0:13:35
丹羽/上野 0:13:52
杉山/丹羽 0:16:01
9-10
沢下りルートは2回目なのでさすがにミスはしない。しかしペースは上位の2割増しに落ちている。
内田/吉村 0:21:08
宮西/半沢 0:21:52
片山/千保 0:22:35
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柳下/市岡 0:25:43
10-11-12
終盤はつなぎのナビゲーションになり、登り基調の体力勝負となる。再び片山/千保チームが迫ってくるが、フィニッシュは近く、もう総合で逆転はされないだろう。それでも「出し切りましょう!」と市岡さんに声をかける。
片山/千保 0:31:16
内田/吉村 0:31:55
宮西/半沢 0:34:44
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柳下/市岡 0:36:01
13-G
下りも市岡さんはもう脚が残っていない。が、片山/千保チームもフィニッシュ手前で記念撮影をしている。我々ももういいだろう。共にゲレンデをゆったり滑空するように下った。とても心地がよかった。
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2日目は2位となったが、トータルで9分半差で優勝することができた。2日間とも序盤にリードを取れたことが勝因。特に初日の3までで25分リードが非常に大きかった。今回はギリギリの苦しいレースだった。5年もやっていると調子がいい時も悪い時もある。それでもこのチームで5連覇できたことは意味がある。改めて市岡さんにはありがとうと伝えたい。
そして連覇という意識はここで一旦お終いにしたい。結果が先ではなく、まずはこのレースを通じて自身のパフォーマンスを余すところなく表現したい気持ちが強い。まだ白紙だが、それを念頭にチームづくりを考えたい。
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今回、ストレートに関してはBと中心に完走率が大きく低下し、ナビゲーションの難易度が増したという声が多かった。しかし上位陣は「ようやく自分たちの技量にコースが追いついてきてくれた」という感想だろう。作り手側も難しくしたのではなく、手加減をやめただけだろう。実際に各クラスの上位チームのルートみると大きなミスはほぼない。まだまだナビゲーションレベルにバラつきがあるということだろう。しかしレースを終えてからナビゲーションを上達させたいという熱を感じる。これを機にこのナビゲーション熱がさらに高まってくれたらうれしい。
[レベルアップのヒント]
全てを言い尽くすことはできないので、例としてDay2の1-2について触れたい。CP2が見つからず、谷にあるということで枝分かれした谷の中をくまなく探したチームも少なくないと思う。CP2のある谷の特徴をみていただきたい。水系が記載されているが、全く枝分かれなどしていないのである。つまり、枝分かれした谷をやみくもに探したところでCPは絶対に出てこない。CPはこの一筋の水系の源頭にある。そして、この水系表示は地形図にはない。コースディレクターが書き加えているのである。そう、コースを難解にしているのではなく、地図を読めばちゃんとたどり着けるようにしているのだ。
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