2018年11月21日 (水)

OMM JAPAN 2018 DAY2

夜間は冷え込まず風もなく穏やかだった。熟睡はできないものの疲労感はかなり取れた。撤収もお互い手慣れてきて手早く完了する。スタートは時間枠内の後ろのほうで出たかったが、早めにスタートエリアに到着したらそのまま早く枠に入るよう促され、6:15にスタートした。

宮西/半沢チームは先に出ている。片山/千保チームは姿を確認できず。枠は6:24までなので最大で9分後からスタートしたはず。

Day2


S-1
しばらくは林道登りでじっくりプランニングする余裕がある。市岡さんの足取りも回復している。CP1へは谷筋で近づきたい。谷までは西側車道から尾根越えも考えたが、昨日から山腹は藪がちという印象があったので、南側の谷筋から鞍部越えのルートにした。谷の上部はヤブだったが、以降はスムーズだった。CP手前からひどくヤブになったが、これはどのルートでも避けられそうもない。

柳下/市岡 0:54:54
片山/千保 0:58:03
杉山/丹羽 1:05:05

1-2
まず尾根状のヤブがひどい。水系沿いはヤブがないので活用してCPに近づく。CP2は別の水系の源頭ということを読み取りイメージ通りの場所に発見。連続区間トップで順調にリードを広げた。この時点でかなり楽になったと感じた(実際そう甘くはなかったが)

柳下/市岡 0:14:45
宮西/半沢 0:16:36
片山/千保 0:17:20

2-3
川沿いに進めば右側に道が見えるか橋にぶつかるだろうと考えていて方向確認を怠り、T字分岐のずっと先まで川沿いを引っ張ってしまった。これは私の勘違いによるミス。運よく道のカーブですぐに現在地を特定できた。距離のロスはなかったが、谷沿いを進んだため5分程度のロスか。それでも若干のリードは保っていた。

宮西/半沢 0:46:50
片山/千保 0:49:22
杉山/丹羽 0:51:19
---
柳下/市岡 0:53:17

3-4
地形がわかりやすく上位チームはあまり差はつかなかった。しかし地形を辿る技術が不足していると苦労するようで全体的にはタイムのばらつきがあった。

柳下/市岡 0:15:30
宮西/半沢 0:15:31
杉山/丹羽 0:16:13

4-5
南側の道のある谷を登り北上かCPの真東の谷をつめるかの2択。悩んだ末に前者を選んだが倒木が多くペースが上がらず、最後は少し東にずれ1分程度のロス。同ルートの宮西/半沢チームが抜けていて、あとは僅差。

宮西/半沢 0:23:29
片山/千保 0:26:25
福島/鈴木 0:26:51
---
柳下/市岡 0:27:12

5-6
山腹より地形に沿ったほうが動きやすいので谷を下り尾根を登る。ここから気合の牽引を開始し宮西/半沢チームを引き離す。片山/千保チームとの差を再び8分に広げる。

柳下/市岡 0:26:19
宮西/半沢 0:29:39
片山/千保 0:32:13

6-7
早めに尾根に出るプランで西側を選んだが、この谷が荒れており牽引ルートを選ぶのに苦労した。6分強一気に詰められる。

片山/千保 0:50:41
杉山/丹羽 0:53:42
今宮/加藤 0:54:14
---
柳下/市岡 0:57:01

7-8
8につくなり市岡さんがシューズの紐が緩んだということ。この日2回目だったので、きっちり絞めてくださいとついきつい口調になってしまう。

尾根を登りきる手前で、ふと鈴の音が聞こえた。前か後かわからなかった。少し鈴の音がはっきりしてきた。振り返ると片山/千保チームの姿が見えた。
「き、きたぁー!!」
そんな衝撃だった。彼らは何分後に出たのだろう?9分後だったら4分半しかリードがない。今のペース差からしたら、、
彼らに少し遅れをとり、頭が真っ白になりながらなんとかCP8に到着した。

ここは我々の失速もあるが、彼らの追い上げが強烈だったことがタイムに表れている。

片山/千保 0:27:17
柳下/市岡 0:33:42
福島/鈴木 0:34:09

8-9
彼らは軽い足取りで前を行く。しかし柵を巻くには彼らは登り過ぎているように見えた。「ここだ!」出し抜く形で柵の隙間から尾根下りに入る。最初は踏み跡がわからなかったが、途中から明確な踏み跡に乗れて一気にCPに到達!

結果的にここで8分差をつけてまた追いつかれているので、仮にミスなく先行されていたらかなりきわどかっただろう。

柳下/市岡 0:13:35
丹羽/上野 0:13:52
杉山/丹羽 0:16:01

9-10
沢下りルートは2回目なのでさすがにミスはしない。しかしペースは上位の2割増しに落ちている。

内田/吉村 0:21:08
宮西/半沢 0:21:52
片山/千保 0:22:35
---
柳下/市岡 0:25:43

10-11-12
終盤はつなぎのナビゲーションになり、登り基調の体力勝負となる。再び片山/千保チームが迫ってくるが、フィニッシュは近く、もう総合で逆転はされないだろう。それでも「出し切りましょう!」と市岡さんに声をかける。

片山/千保 0:31:16
内田/吉村 0:31:55
宮西/半沢 0:34:44
---
柳下/市岡 0:36:01

13-G
下りも市岡さんはもう脚が残っていない。が、片山/千保チームもフィニッシュ手前で記念撮影をしている。我々ももういいだろう。共にゲレンデをゆったり滑空するように下った。とても心地がよかった。

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2日目は2位となったが、トータルで9分半差で優勝することができた。2日間とも序盤にリードを取れたことが勝因。特に初日の3までで25分リードが非常に大きかった。今回はギリギリの苦しいレースだった。5年もやっていると調子がいい時も悪い時もある。それでもこのチームで5連覇できたことは意味がある。改めて市岡さんにはありがとうと伝えたい。

そして連覇という意識はここで一旦お終いにしたい。結果が先ではなく、まずはこのレースを通じて自身のパフォーマンスを余すところなく表現したい気持ちが強い。まだ白紙だが、それを念頭にチームづくりを考えたい。
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今回、ストレートに関してはBと中心に完走率が大きく低下し、ナビゲーションの難易度が増したという声が多かった。しかし上位陣は「ようやく自分たちの技量にコースが追いついてきてくれた」という感想だろう。作り手側も難しくしたのではなく、手加減をやめただけだろう。実際に各クラスの上位チームのルートみると大きなミスはほぼない。まだまだナビゲーションレベルにバラつきがあるということだろう。しかしレースを終えてからナビゲーションを上達させたいという熱を感じる。これを機にこのナビゲーション熱がさらに高まってくれたらうれしい。

[レベルアップのヒント]
全てを言い尽くすことはできないので、例としてDay2の1-2について触れたい。CP2が見つからず、谷にあるということで枝分かれした谷の中をくまなく探したチームも少なくないと思う。CP2のある谷の特徴をみていただきたい。水系が記載されているが、全く枝分かれなどしていないのである。つまり、枝分かれした谷をやみくもに探したところでCPは絶対に出てこない。CPはこの一筋の水系の源頭にある。そして、この水系表示は地形図にはない。コースディレクターが書き加えているのである。そう、コースを難解にしているのではなく、地図を読めばちゃんとたどり着けるようにしているのだ。

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2018年11月19日 (月)

OMM JAPAN 2018 DAY1

1日目の展開とルートの考察を書きました。宮西/半沢チームのルートも参考になります。

Day11


S-1
スタートは眺めが良い山頂で舞い上がってしまいそうだが落ち着いて。いきなり尾根が不明瞭な下りで本来注意が必要だが、行列になっていた。CP1も少々捻った枝尾根だがわかりやすい状況だった。幸先よく区間トップ。

1-2 
スタートで地図を受け取った時に前半のメインレッグだと感じた。レッグ中盤のS字カーブのある林道は通るものとして、そこまでのプランをすると高原道路に戻るのがベストと判断する。これは正解でそのS字カーブ付近で早くも16分前スタートだった片山/千保チームに追いつく。尾根越えからの林道下りは並走し、小山/国沢チームも吸収。次の尾根越えで片山/千保チームや脱落し、差を拡げたが...

区間2,3位の宮西/半沢、福島/鈴木チームはさらに高原道路を引っ張り、西側ロードから回り込んだ模様。東側の林道はアップダウン多く重たいルート。

柳下/市岡 1:11:30
宮西/半沢 1:15:52
福島/鈴木 1:16:37

2-3
道がより多く活用できるCP3の東側からの尾根越えで考えていたが、CP2すぐ北西の鞍部越えの谷の植生が良かったので、急遽登りが少ない南回りを選択。これは当たりでさらに差を広げた。ざっと見てCP3でコース1/3。2時間かかっていないので6時間そこそこでフィニッシュできるのではと思う。

柳下/市岡 31:40
片山/千保 36:10
山本/飴本 37:02

3-4
1-2の林道走行中にプランニングをしていたが、特別楽なルートはなさそう。5-6で通る尾根の往復がメリットが多いと考えた。途中からペースダウンが始まってしまったが、僅差なのでルート自体は正解だったと思われる。登り始めで宮西/半沢チームとすれ違い、15-20分ほどのリードが確認できたが、いつまで貯金がもつか..という.気持ちで安心感は全くなかった。

片山/千保 1:07:16
宮西/半沢 1:08:13
柳下/市岡 1:08:44

4-5
短い登りなのでとりあえず押すことにした。しかし押しながら登るときに整置がおろそかになり、ずれて尾根上にでる。すぐにリロケートできたが4-5分のロス。マーシャルポイントで久保田さんに「速いね~」と言われるが、テンパっていて余裕なし。

小山/国沢 0:16:54
宮西/半沢 0:17:07
藤下/板谷 0:17:10
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柳下/市岡 0:21:52

5-6
尾根上でついに牽引を開始する。地図も読めるしとりあえずうまく引っ張ることはできた。しかし林道に出る直前で市岡さんが倒木でつまづき、脚がつって倒れ込んだ際に強い負荷がかかり、取り付け部分の金具が壊れる。以降、道路や単調な登りなどではひたすら押す。なんとか5分弱の差で抑えられたので、ルートそのものは悪くなかったはず。

片山/千保 1:13:00
杉田/武井 1:15:26
北野/中辻 1:16:18
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柳下/市岡 1:17:47

Day12


6-7
一旦高原道路に戻るルートを選択。尾根の乗り換えに注意が必要で、尾根も地図で見るより緩急がある。ナビのロスはなく区間トップをとれた。

柳下/市岡 0:16:52
田中/田中 0:17:17
小山/国沢 0:17:27

7-8
南北かなり考えたがアタックは登りのほうがわかりやすそうだったため、集落まで下る南ルートにした。山本/飴本チームは高原道路に戻ったとのことで57分なので、ルート的には大きな差はない模様。

8への林道でふと振り返ると序盤でパスした片山・千保チームが背後に。序盤は巡航でもリードしていたが、明らかにペースが違う。あっという間に交わされる。この勢いだとフィニッシュで相当貯金が減る。目の前のチームだけでなく他の上位チームも同様だ。
「ここ勝負どころですよ!ついていって下さい!!」
無茶言ってる気がしたが、ここはもう無茶をしないといけない局面。高低差130m急斜面、市岡さんを前に置き渾身の力で押し上げる。そして8までは大きく離されずに食らいつけた。

片山/千保 0:49:32
宮西/半沢 0:54:29
柳下/市岡 0:55:37

8-9-10-F
以降はナビは易しく体力勝負。激励や押しを繰り返し、2分半離されたものの13分半の貯金を残して1日目を終了した。

宮西/半沢チームとの差も気になったが21分差。すれ違って以降もほぼ差は変わらずだったので、巡航ではあまり差がないか。4位以下は大差。市岡さんはきっと今日ぐらいは動ける。序盤を互角に乗り切れれば、後半追い上げられても逃げ切れるはず。よりテクニカルであることが予想されるが、ナビゲーションのロスは最小限に留めたい。自分がそれをできればきっと勝てる。

CP位置は尾根上のピークなどが多く、全般的にわかりやすかった。一方でルート選択肢は多彩だった。かなり大きくルートが分かれてもルートでのタイム差は小さく、よく練られている。CP位置はやさしくてもやはり地形を辿るナビゲーションの技量は必要で、そこで明確に差がついているように感じた。また地形も急峻なためロスが大きくなる傾向もあったと思う。

(つづく)

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2018年11月17日 (土)

OMM JAPAN 2018 準備編

2014年の第一回目からストレートの最長クラスで4連覇しており、次は区切りの5連覇いうのが大きな目標になった。

過去の実績をざっとふりかえると、、

2014年 初日は2秒差。2日目は積極的なルート選択で大差で優勝
2015年 2日間とも大差で圧勝
2016年 市岡さん直前に胃腸炎。それでも完勝。
2017年 調子は問題なかったものの、初日は2位。2日目になんとか逆転。

昨年の辛勝から、今年はこのまま同じようにやっていたら伸び盛りのチームには敵わないと感じていた。

チーム分析すると、ロードの走力はほぼ同じだが、不整地や地図読みは大きな差があり、底上げが必要な部分と感じたので、まずはOMOエリートに出場をお願いした。(これはマラソンの調整のため欠場)
次に、走力を確認しあう機会を設けたほうがよいだろうと、5月の朝霧12時間ロゲイニングにお誘いした。しかし8時間経過したところで市岡さんに膝の故障が発生し、敗戦(2位)だった。 これは我々のチームではロゲイニングやOMMを通じて10数戦目で初めて、私自身としても男子チーム戦では2010年代で初めての敗戦という、まさかな結果だった。

直後にOMMのエントリー開始だったが、今一度コミットが必要と感じ、勝つことが互いの目標ということを再確認しエントリーすることを決めた。

市岡さんの膝の故障は幸い重症ではなく、夏はそれぞれ幕営装備を背負ってアルプス縦走を行なった。

夏を経て、再び確認の機会ということで9月上旬に朝霧マウンテンOに出場。優勝はできたが、市岡さんは夏に痛めた足を悪化させてしまう。足底筋膜炎の診断。

その後、市岡さんは上州武尊は完走されたものの(さすがだなと、大丈夫なの?と両方思った)、10月半ばが過ぎて状況を聞くと、痛みが消えず毎日治療していること、トレーニングもゼロとのこと。

念頭にあった不整地の底上げどころではないし、正直、欠場したほうがいいのではないかとか、いろいろ考えた。しかしながら、治療を成果か1週前に急激に痛みが薄れてきたと聞き、ならば今の状況でベストを尽くそうと私も心に決めた。

現状のチームの力を分析すると、最良で考えても、
それぞれの巡行速度... 柳100/市(ロード110/不整地130/平均120)
共通装備を自分が持つことで... 105/115
さらに押したり、牽引することで... 110
上位が予想されるのは宮西/半沢、片山/千保、飴本/山本あたりだろう。巡航ではアドバンテージはない。高難易度が予想されるなかで最小限のミスで抑え、足が持ってくれれば、勝つチャンスはあるかもしれない...とにかくそう考えることにした。

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前日はゲン担ぎに駒ケ根でソースカツ丼を食べて会場入りする

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左2つはマッパチーム、右は我々。自分は昨年に比べ寝袋をナンガ UDDBAG180DXからイスカ Air130Xに変更とベースレイヤーを薄くした。合わせて200ℊ軽量化。テント、クッカー(合わせて1.3kgほど)は私が持ち、それぞれ水、食料込みで5kg、3.5kgほどになった。また、牽引用に紐を作成した(重量は25g増加になる)。

宿ではマッパチームとの作戦会議を行った。事前にも地図範囲やコースの想定を実施していたが、公開された地図は東西はほぼ想定通りだったが、やや北側が広かった。ちなみに事前に範囲を考える上では標高550mや発電所の地図記号がヒントになった。コースは高原道路を挟んで2日間で範囲が変わると予想した。キャンプ地、スタート、フィニッシュの流れなどは完全に予想通りだった。
(つづく)

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2018年9月15日 (土)

朝霧マウンテンオリエンテーリング

2回目の開催となった朝霧マウンテンオリエンテーリング、昨年は裏開催だった合宿のスタッフだったのですが、今年は招待選手としてOMMの予行を兼ねて市岡さんとのチームで参加させていただきました。荷物を背負っての2日間の行動であり、1/25000の地図を利用した形式のオリエンテーリングも数少ないため、とてもよい練習機会となりました。

ルート、ラップからレースの模様を簡単に考察してみます。

Day1

Day1


Lap1

1-3は体力勝負。3-4も尾根下りだが難易度は低く、4までは上位5チームは殆ど差がない。

4-5 谷沿いが最短だが、やや距離が長いので道で接近する。立ち入り禁止(湿原)が終わってから小さい谷を下って少しだけショートカット。

6-7 まず尾根越えが見え、直の登降と林道利用でどちらが良いか考える。林道利用は結構距離が延びる。だとしたら大迂回もあるのでは考え、思い切って採用してみた。アタックは手前に枝沢があるので要注意。ここまでタイム差があったのは想定外。

7-8 CPは谷の北側だが、道の分岐が複雑なので谷の南側の林道から渡渉してアタックとした。途中で沢の水量も確認している。北側はヤブも発達していてハマったチームも多く結果的にタイム差がついた。

8-9 最短のレッグ線やや北の直進で考えていたが、道で迂回してもそれほど距離は伸びないと感じルート変更。ルート的には最速だと思われるが、走り負けている。

9-10 藪をよけたら西にずれたので高さを維持して東へ動き、藪の中にCPを見つける。藪と地図に表現されていない地形のため、このコースで一番難解だった。

12-13 直進はイバラが多いので林道で迂回。傷だらけになるとテント泊のストレスにもなるので、トップラップではないが安全策としてはありか。

後半はマッパチーム一緒になり走力では圧倒されていたが、CP周りの動きの精度と歩くほどの大失速とまではなっていないのでそれなりにまとめたというレースだった。

Day2

Day2


Lap2

S-1 南ルートにしたが、県道は多少アップダウンがあり、北ルートの方が10-20秒ぐらい速そう。

1-2 涸れ沢を辿る。上位チームは多少の違いはあってもほぼ同じルート。南の林道迂回ルートは4kmほどになるのでキロ6分半-7分とすると26-28分だと思われる。

2-3-4 3は手前の地形が気になり、4は少しオーバーランでそれぞれ1分ぐらいロスしている。

4-5 ここは直進の方が速い。立禁(牧草地)が森の中からもわかりやすく方向維持に利用できる。

7-8 破線の道がほどんど不明。使おうと多少努力したがもっとさっさと実線の林道にでてもよかった。

10-11 スムーズだったが、東に林道に出たマッパチームのほうが1分40秒ほど速くて驚いた。

11-12 地図に表現されていない深い溝があった。地形図はこういった緩斜面帯での溝が表現がされていないケースが多く(昨年の野辺山でのOMMの2日目終盤でも似たようなことがあった)、要注意。(12の西側では溝が表現されているので、この上部にも書かれていないが溝はあると推測はできる)

前日よりはずっといい動きだった。ラストは前日共通だが1分も速い。ただ他のチームも短いこともありいいペースで、特に8まではほとんどラップは取れなかった。トップペースを上げるというより、6-7時間このペース感を淡々と維持することがOMMでは必要となる。

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2017年11月18日 (土)

OMM Japan 2017

毎年楽しみに参加しておりますが、野辺山を舞台に開催された今年は新設されたストレートAクラスに出走しました。結果はこちら。準備とレース展開に分けて書きたいと思います。

■装備

基本的には例年と変わらない装備だが、今回は天気予報から特に以下の2点の対策を気にしていた。

1.初日の朝が雨
雨のあがるタイミングを念入りにチェックした。
・早めに上がればフィニッシュ時に乾いているので、そのままレインウェアは防寒着として使える
・気温は高めなのでスタート前にやめば着用せずに走ることができる
最終的に今回は両方を満たし、持って行ったのも最軽量のBerghausのヴェイパーライトハイパーシェルジャケットで大丈夫だった。

2.夕方以降は冷え込む
日曜朝は-9℃まで冷え込む予報も出ていたが、直前の予想から気象予測から-3~-6℃ぐらいではないかと想定した(ただしキャンプ地はアメダス観測地点よりも冷えるかもしれない)。
冬用のシュラフも持っているがさすがに重たいので、できれば例年通りNANGA UDD BAG 180DXを使いたい。このシュラフはエクストリームで-6まで対応であり、エスケープビビィとダウンジャケットを着こむことで何とか我慢できるだろうという想定。また予備ベースレイヤは2枚、タイツ2枚、ソックス、グローブは替えを持っていき、乾いたものを着用すること心掛けた。
結果、野辺山のアメダス観測で-3℃、キャンプ地はいくつか情報はあるが-5~-10℃だった模様。なかなか冷えたが防寒対策は足りていたようで寒さはほとんど気にならなかった。またシューズは凍らないようにテント内に置き、ジェルやバーなどはエスケープビビィの中にいれた。トレイルバターは夜中目が覚めた時にちびちび補給していた。

■コース予想

今回は念入りにコース予想もしてみた。キャンプ地は予想通り。ピタリ当たっているCPもあった。地図はA3ノビの縦と予想したが、実際はA3横。北限は予想通りだったが、南側はカットされていた。また2000-2500mエリアは県界尾根とその北尾根と考えたがこれはハズレ。大人数のスコアロングを想定するとリスクが高いのだろう。

前日に公開された地図で再検討すると標高高いエリアはみどり湖方面、地図の範囲から中山峠まで入りそうな雰囲気もあり、その場合相当長いコースになるだろうと想定した。

またルート選択に幅があることも間違いない。野辺山ウルトラマラソン出走経験から林道だと距離が伸びるが、
ほぼ走れる傾斜であることから基本は林道でよく、時々ショートカットを狙うという考えでいた。ショートカットは全て林道だと距離が長くなり脚も足も使うので、時々森をあるいて脚休めをできるというメリットもある(なのでショートカット時は頑張り過ぎない方がよい)

■レース展開

DAY1 29.2km 2080m
S-1
地図を受け取りざっと確認すると、CP1は林道のすぐ近くでほぼ道でつなげるのでまずは易しい区間。途中で谷沿い経由もみえたが、当初プランの林道経由とする。ただ実際走ると少し距離が長いと感じた。後でタイムを見ると谷ルートを選んだという寺垣内/佐藤チームがやや遅く、結果林道で正解だった。

宮西/佐藤 42:00
柳下/市岡 44:10
寺垣内/佐藤 46:53

S1_1


1-2
ここも当初オール林道を考えていたが、かなり距離が伸びるので谷越えのショートカットルートを選んでみることにした。同じルートを国沢/小山チームが選択していて共に藪を漕ぐ。大きなミスはしていないが尾根上は笹が深くややもたつく。林道経由より5分以上遅かった模様。この日唯一3位以内を逃す。

寺垣内/佐藤 1:16:44
濱/大西 1:21:59
福島/鈴木 1:22:39
---
柳下/市岡 1:23:43

2-3
ルート選択はあまりない区間。最後はショートカットしてみる。宮西/佐藤チームより林道ランのペースがやや遅いか。

宮西/佐藤 36:24
柳下/市岡 38:38
寺垣内/佐藤 38:54

3-4
ルートが大きく分かれる。逆走ルートも見えたが林道に飽きていたのでみどり湖経由で。ここは基本的に歩きで足を温存させた。逆ルートを選んだ宮西/佐藤チームに先行される。ただトイレタイムがあったのでほぼルートでの差はなさそう。プランナーのうまい設定だ。

宮西/佐藤 1:13:24
寺垣内/佐藤 1:16:55
柳下/市岡 1:17:04

4-5
谷の下りで宮西/佐藤チームに追いつく。いつの間に抜かれたのかと驚く。本来谷沿いの小径を利用してCPに近づくプランだったが、我慢できず少し手前で尾根に乗る。笹が深く地形も緩慢でやや不安になったが方向を維持すると笹が薄くなり広い鞍部にCPを発見した。2分半ほど出し抜いたようだ。

柳下/市岡 28:26
安心院/近藤 30:49
寺垣内/佐藤 31:27

5-6
少々焦りがあったか手前で勘違いしてしまうというミスをする。地形が酷似しておりしばらく現在地がわからずかなり右往左往する。道からやり直そうとしたところで間違いに気づく。5分ほどのロス。しかしここは通常のアタックでも難しかったようで上位と1分しか差はつかなかった。

寺垣内/佐藤 28:38
宮西/佐藤 28:53
柳下/市岡 29:55

ちなみにここまで3チームは大接戦だが、寺垣内/佐藤チームは以降遅れだす。
宮西/佐藤 4:55:33
寺垣内/佐藤 4:59:31
柳下/市岡 5:01:56

6-7
直進しつつ谷の曲がりを確認。最後の尾根もイメージ通りで問題なし。

柳下/市岡 9:20
宮西/佐藤 10:53
山北/角田 13:22

17_1

7-8
尾根越えのタフなルートを考えていたが、市岡さんの提案でシンプルな街方面大迂回に変更。谷をつめて谷の源頭から方向を維持する。特にロスなしだが、宮西/佐藤チームの4分差。山本/飴本チームにも負けている。もっといいルートがあったか?

宮西/佐藤 39:00
山本/飴本 43:01
柳下/市岡 43:10

8-9
尾根たどりが最短だが、ナビの手数が多いのでそのまま谷を下るルートを選ぶ。多少倒木があったが、道に出てからが早かった。ここで一気に10分差をつめ瞬間的にトップに立つ。

柳下/市岡 22:15
森本/池田 26:29
武井/杉田 28:41

9-10-11-F
林道経由は距離が長く余計に登るので直登のショートカット。ミスはないが多少ペースが落ちていたようで再び3分弱の差。

宮西/佐藤 59:19
柳下/市岡 1:02:51
寺垣内/佐藤 1:10:53

7f_1


この日はルート選択その他でロスは20分程度。巡航速度でざっと3%ぐらいぐらい負けている。宮西/佐藤チームは終盤でもペースは落ちておらず、佐藤選手は強いと聞いていたが宮西選手の意外な粘りに驚いた。2日目は我々もペースを上げる必要があると感じ、寒かったこともありあまり出歩かず体力回復を図った。

DAY1 23.2km 1370m
宮西/佐藤チームが先にスタートしたかと思っていたらスタートレーンで2分後にいた。(市岡さんはフィニッシュまでそのことに気付いていなかったらしい、、)

S-1-2
ルート選択の余地はほとんどないが、2は尾根たどりのナビゲーション技術を問われる。引っ掛けにも惑わされず集中して駆け抜けた。ここで一旦5分のリードを奪ったのだが、、、

柳下/市岡 35:06
寺垣内/佐藤 41:58
宮西/佐藤 43:27

2-3
つなぎの区間だが、回り込んでのアタックもあるかもしれない。身体が温まったのでレインウェアを脱ぐ。

宮西/佐藤 17:13
柳下/市岡 18:46
丹羽/上野 21:18

3-4
昨日と同じく安全策で街に迂回を選ぶ。アタック手前まで順調だったが手前の谷に入ったことから思わぬ大きなロスにつながった。横から谷に入るがCPが視界に入らず、正しい谷か確信が持てなくなり、周囲から確定されるので時間を費やす。最初に谷に入ってから20分以上のロスだったが、宮西/佐藤チームもウロウロしたようでほぼ同時にCPを発見。昨日の分と合わせて5分差だ。

寺垣内/佐藤 1:04:03
宮西/佐藤  1:10:01
安心院/近藤 1:11:54
---
柳下/市岡 1:18:11

S4_2

4-5
引き離したいところだったが、なぜか市岡さんがゆっくりしていて(追いつかれたと思っていなかったため)一旦先行される。厳しいかなあと思ったが、脚色は一緒のようでそれ以上ペースは上がらず。補給をする余裕もでて先ほどの大ロスから少し落ち着きを取り戻す。

宮西/佐藤 0:23:22
柳下/市岡 0:24:09
寺垣内/佐藤 0:25:41

5-6
林道に出るところで少し前にでる。先行してた寺垣内/佐藤を吸収し、3チーム見える範囲で林道を進む。終盤の登りを走るきることで1分ほど差をつけた。ここを勝機とみて下り基調の素早いアタックを行い、さらに5分差をつけ再び逆転する(差をつけたことはレース中はわかっていない)。

柳下/市岡 0:44:49
宮西/佐藤 0:51:04
寺垣内/佐藤 0:53:27

6-7
短い区間。少しだけアタックで外れるが大きな問題なく済んだ。

宮西/佐藤 5:56
寺垣内/佐藤 6:11
柳下/市岡 6:44

7-8 ルート選択区間だが、尾根ルートはさすがにリスクが大きいで林道を頑張って登る。市岡さんと交互に前を引っ張る。ペースは遅いが8割方走った。ここでようやく勝てるかもと思えた。

柳下/市岡 0:59:04
寺垣内/佐藤 1:00:49
横尾/橋本 1:03:53

8-9-10
ここは谷経由で勝負にでた(昨日寺垣内/佐藤チームが谷経由で少し遅かったことはフィニッシュ後知った)
結果、下りではほぼ変わらなかった模様。9-10は少し用心したがCP位置は易しかった。

寺垣内/佐藤 47:14
柳下/市岡 48:23
宮西/佐藤 50:08

7f_2

10-11-F
2分半ほど梯子待ちあったがロードに出てからはガンガン走って下った。

丹羽/上野 20:03
安心院/近藤 20:20
寺垣内/佐藤20:26
---
柳下/市岡20:43

フィニッシュ後、装備チェックを受けてもまだ確定まで時間がハラハラしたが、5分が経過し優勝が確定しほっとしすぎて全身の力が抜ける感じだった。

厳しい展開だったが、逆転するパターンを経験できたのはよかった。ペースは2日間トータルで考えればよさそう。とくかく大きなロスは避けたい。2日目のCP4も下るのではなく林道の角からやり直せば10分弱で済んだ。リロケート時間の短縮をこれから1年の課題としたい。

Staright A
柳下 大/市岡 隆興
総合優勝 12:55:27
DAY1 7:19:32 /  DAY2 5:35:55

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2015年11月27日 (金)

OMM Japan Tsumagoi

少し時間があいてしまいましたが、11/14-15に嬬恋で開催されたOMM Japanについて簡潔にまとめておきます。

■成績

ストレートロング優勝 10時間29分58秒

昨年に引き続き市岡さんとのチームで参戦。優勝はもちろんうれしい。

■装備

UKの時の装備とベースになっていて、以下を変更した。

・減量
食料:エネルギーバー2本減らし(距離が短いため)
マット:エアマット⇒ザックの背面パッド(草地の上だろうと想定して)
ガスコンロ⇒市岡さん(私のよりコンパクトなため)

・増量
ダウン:フードなし⇒ありに変更(寒さ対策)

上記で0.5kg程度の軽量化。水も1.5Lから1.2Lに減らしたので、合わせてスタート時点で0.8kg減。UK:フル状態で7kg程度⇒Japan:6kg前半。ただし、テントの幕が濡れ絞りきれなかったので、2日目のほうが重かった。

背面パッドのみはやや攻めすぎで30分に1回姿勢を変えることに。保温は今回のコンディションだと充分だったので、条件により1ランク軽量化は可能。

■ナビゲーション

1日目

1-2:分岐を見落とす。尾根道が直進で、道米子瀑布方面が左に分岐だと思い込んでいたため。実際はY字路で行くべき方向が細い。200m先のカーブで気づいたが4分ほどのロス。

11-12:対象の尾根にのったものの見えなかったので、念のため先の尾根まで確認に行き1分半ほどプラス。これは保険みたいなもの。

8-9:直進&地形読みで16:37(2番目に良いタイムは20:09)。ナビゲーションで明確な差がついたのはこの区間。

2日目

3までで35:28。2位のチームは47:21で、ここまでで大きく差をつけている。1-2 16:20、2-3 16:16に対しセカンドラップは17:55、17:51で1分半差程度だが、どちらかロスがあったチームが多かった。

6-7:西側の道が早かったとの声多数。脚力でトップを維持。2番手小野・山田チームは西側の道にでたとのこと。

9-10:笹薮に埋もれたルートだったせいか、大きなミスはないが明確に遅い(1分ほど休憩している)。

■ペース

ナビゲーション要素の少ない初日の7までで3時間52分。2番手の飴本・山本チームに8分リード。その他の走れる区間もだいたいトップは取れている。だが、キロ当たりタイムで考えるとUKの時より距離が若干速い程度にすぎず、それは単に距離が短かったためでプラス評価はできない。国内のOMMもこのペースでは勝てない時がくると思う。

■それぞれの楽しみ方

私は自己のベストパフォーマンスを発揮することに楽しみ感じる。装備を吟味すること、しっかり走ること、きっちりナビゲーションをすること。それらが楽しい。

OMMは楽しみ方の懐の深さが魅力と言われる。衣食住背負うことから、他のレースより普段の価値観やポリシーも現れるのだろうと感じる。そう考えると、こうだと強要することなく、それぞれの楽しみ方を尊重していくことが大切なんじゃないだろうかと思える。

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2015年11月10日 (火)

TheOMM 参戦記 その3

■1日目夜

フィニッシュ時間、実際は19時半になるが、明日は標準時刻なのでもう18時半で行動しておいたほうが無難。(と、いうことをホントにそれであっているか何度も考える...)

風もそこそこで星空も見え、テントは張りやすかった。張るスペースもまだ充分あった。テント内は2人でも特にストレスはなく、暖かく落ち着く。夕食をつくり標準時20時半ごろに就寝する。その後、夜間はかなり風が強く、一度テントがつぶされかけたが、明け方に徐々に収まっていった。

■2日目 33.1km/up2710m

スタートは7:30からということになった。5時半~5:45ぐらに起きることとする。6時半には片付け開始で、7時前にはテントの撤収完了。多少冷え込んでいるが、雨でないので昨日より楽だった。

S-1 10:08 ave3 7:29

開けているが手前の急斜面のため、CPの沢は見えない。エリートクラスの同時スタートが6チームほど。私たちは先行3チームの一角としてCPに到着。

Day2_1

1-2 25:19 ave3 15:47

登りを抑えるプランでルートチョイスする。このチョイスは同時スタート組では我々だ けだったが、同時かやや先行する形でCPに到達できた。

2-3 38:56 ave3 25:07

ここは若干ライン取りに差があるものの基本同じルートチョイス。我々より少しスピード感のあるチームに先行を許すが、2番手でCPに到着。

3-4 1:10:32 ave3 47:05

林道を登りきった地点で休憩。ここで何組かに先行されるが、その後のライン取りがうまくいき順調に4に到達。走りやすく区間も多く、「普通に」風景を楽しむ余裕あり、この時点では完走は間違いないと感じられていた。我々やその周囲のチームは尾根に上がるルートだが、トップ集団は緑のルートを取っている模様。これはまったく見えなかったし、速いとは思えないのだが、、、

4-5 1:06:40 ave3 46:42

道に出るまでのライン取りが結構難しく、山火事跡みたいなところも通過する。谷をつめ順調に斜面に取り付くが登りがタフだった。下りはトレイルがつながっていてラッキーだった。しかし、このあたりから後続スタートのチームにどんどん交わされるようになり、走力差を感じる。

5-6 43:03 ave3 29:33

初めての樹林帯区間。快適に走れるかと思ったら、深い湿地と傾斜した斜面の踏み跡で消耗する。想定よりかなり時間がかかり、手こずった感があった。

6-7 70:45 ave3 42:48

登りはトレイルが使えるが、足元はやはり緩い。平原にでればスピードがあげられるかなと思ったが、ここからが非常に厳しいモコモコした柔らかい足場だった。一歩一歩フレキシブルすぎてバランスを取るのが一苦労で特に足首への負担が大きい。CPまで残り1.5km、なんと35分かかっている。ここで完走ペースに対しての貯金はなくなった。緑のようなラインのほうが走りやすかった可能性もあるが、地図から事前に判断するのは難しい。

Day2_2

7-8 1:18:02 ave3 52:50

谷沿いは踏み跡がしっかりしており、その後の下りも走りやすいラインを見極めながら進めた。その後、道に出るまでが少々タフだった。エネルギーが切れ気味なので足元のブルーベリーを何度もつまんだ。道に出たところでじっくり補給して回復を図る。ブルーベリー夢中になり過ぎたなのか、タイムが遅い...

8-9 1:03:36 ave3 50:03

2日間の総仕上げ的なタフな400m登りの区間。体力的にきつい区間だったが、足場がよいせいか上位とのタイム比は悪くなかった。17時ゴールはまだチャンスがあるが、CP9の15時関門はもう間に合わない。有人関門でナンバーチェックのみか終了宣告かで運命が分かれる。ちょっと先にCPに着いたチームが先に進もうとしていない。ああ、これは、、と理解する。我々もそこでタイムオーバーを告げられ、会場へ直行するように指示を受ける。

Day2_3

9-G

会場まで6.5㎞/up150m(コースをたどると8.5km/up250m)。ちょうど村越、田島チームも同じタイミングで戻ってきたところだった。

■まとめ

オリエンテーリングやトレイルランニングからこのレースに興味をもつ人は多いと思います。それらのレースよりいい成績を出せるかというと、それほど易しいものではないというのが私が出場した感想です。

今回、トップチームとのタイム比は145%ほどで、過去に出場したオリエンテーリングの世界選手権よりトップ選手とのタイム比は大きいものでした。(もっと言えば、トラック競技の世界記録との比率より大きい)

もっとも、足場の良い区間では125~130%程度の差なので、基本的な走力差はそのぐらいであると考えられます。問題は足場の悪い区間にあります。まず、荷重のある中での足場の悪い場所を進むパワーに欠けているというのがあり、さらに地図から得られる情報だけでなく、現地の判断で移動しやすい場所を選んで進む技量の差いうのも小さくないでしょう。地図読みでのナビゲーションはほぼ完璧でしたが、現地判断でのナビゲーション(というよりはドライビングか)はまだまだでした。そこに悪天候が加わるため、その差が増幅されてます。例えば、我々はめまぐるしく変わる気象条件に何度も着たり脱いだりがあり、それだけで初日は20分程度費やしています。その回数や時間を短縮するといったことも必要になってきます。従って経験によってタイムを短縮できる面もあると思います。

選手層自体はそれほど層が厚いわけではなく、今回エリートでは中位に位置していたし、10位以内であれば手に届く差ではあると感じます。しかし今回規定時間内完走は6チームで、そこに食い込みにはかなりの隔たりがあるのも事実です。(これは今年のコースが例年より長かったというのもあるみたいです)

達成感のある到達地点は、完走のうえの順位をつけることだと感じています。それが目標として適切か、そこまでフォーカスできるか、といわれるなかなか厳しいというのが正直なところです。

今回の収穫は、やはりそれは参加してみないと分からないことだったので、そのレベルを実感できたことがまずひとつ。また、タフなスケジュールでの参戦であったけど、想定内の疲労でこなすことができたのは、収穫というか、ホッとした点です。この競技はチーム戦であり、昨年相馬さんと参加予定でありながら、行くことが叶わず心残りがありました。今年チームを組んだくれた山田くんには感謝したいと思います。完走こそ果たせませんでしたが、私自身は今まで身につけてきた体力は技術はきっちり発揮できたと感じています。また、彼のほうがこの足場に適性があり、悪天候へのタフさも持っているので、チームメイク次第ではもっと上位を狙えると期待したいと思います。

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2015年11月 8日 (日)

TheOMM 参戦記 その2

■1日目 40.8㎞ up3310m
1時間遅れの動揺はさすがに大きい。本来競技時間が1時間長いことが前提のコースなので、明るい時間帯たぶんゴールできない。それに記録はどうなるのだろうとか、あれこれ考える。でも仕方ない。スタートさせてもらえただけありがたいと考えるようにした。

各区間はルートとスプリットタイム比から考察したい。

S-1 30:28 Ave3 21:13(スプリット上位3チーム平均)
ウォームアップ的なショートレッグ。まずは地図への慣れだ。今回の地図は縮尺1:40000 等高線間隔15m。地図上の1マスが1km四方。等高線間隔15mというのは初めて。ちなみに15m≒50ftで、イギリス人の感覚にマッチしているらしい。体感的には地図の印象より等高線1本につき登る。もっともこれは足場や荷物も影響しているかもしれない。CP1はナビゲーションの難度は低いが、数えると一気に350mも登っていて、ほぼ30分費やした。CP数が少なくぱっと見何とかなりそうにも見えたが、やはり時間はかかりそう。

1-2  1:42:41 Ave3 1:08:00
ルートプランが問われるロングレッグその1。中央の稜線伝いがまず目に入ったが、左に迂回する谷のラインを登りが減らせそうなのでこちらを選択した。中盤林道も使えるので比較的スムーズで正解に感じられたが、最大の難所は雨で増水した川の横断だった。幅は5m程度だが、少し濁っているため川底が見えない。流れが穏やかなところで渡ると腿ぐらいまで浸かったが何とか横断できた。その後も湿地状の足元が2kmほど続きペース落ちた。ロスはごく小さいもので済んだが、CP付近はなかなか難しい地形だった。しかしトップのタイムは1時間3分で驚異的。緑のルートがもしかしたら速そうにも見えるが、、、

Day1_1

2-3 19:04 Ave3 12:54
3の周辺の地形は今回のコース上では最も細かく、注意が必要なことがわかる。できるだけ近くで現在地を特定したいので、谷の曲がりを利用した。すると難なくCPに到達できた。

3-4-5 1:54:48 Ave3  1:11:36
3-4はこの日最もコンディションがタフな区間だった。ちょうど雨雲が押し寄せ、西からの向かい風が強烈で体感温度が相当低い。そして冷え切った身体に手ごわかったのが腰までつかる川の横断。横断後は動いて身体を温めないと危険を感じるぐらいだった。4へと下るとガスが晴れ、気温も上がり危機を脱する。なお、装備の切り替え&休憩で10分ほど停滞があったので、その分タイムはかかっている。

5-6 2:26:47 Ave3 1:57:38
ここが2日間通じても最長のレッグ。直線で11km近い。1-2を通るときにプランしたのは南回りだったが、足元がずっとタフなことが予想されたので、距離は伸びるが北上して中央の道を使うプランの提案をして採用となった。川の横断が先ほどより下流のためより手ごわいが、中州があり幅の広いところで横断した。足元が滑りやすくひやひやした。林道にでて一安心だが、ロードに出ると強風と冷たい雨で体が冷える。追い風だったのがせめてもの救い。アタックも特に問題なかった。Ave3の1:57に対し、2:26で125%で1-2と比べ良いチョイスだった。なお、プランナー推奨も道ルート(しかも6を逆からアタック)だが、多くのチームは南回りを選んだ模様。

Day1_2


6-7 50:16 Ave3 36:52
湖畔まで私は道回りしか見えていなかったが、やまたかくんのショートカット案を採用。しかし急激に疲労を感じる。ジェルを一個とるが、もっとエネルギーがもっとほしいが残量からセーブしないといけない。ハイドレの水も尽きロードに出たところでトレイルレースならそろそろエイドがあるよな、、と頭をよぎる。おかげで7への登りでかなりペースダウンしてしまう。ただ、この区間もナビが良くタイムは悪くなく、ここで一時的に12位まで順位が上昇していた模様。

7-8-9  80:01  Ave3 54:47
かなり消耗しているし風が冷たい。7-8は山田君にナビを任せて着いていくことに徹する。登りでエネルギーバーを補給し、予備のボトルからの給水する。脚が冷えすぎて感覚が鈍り安定しない足場に翻弄されつつ、8に到着。8-9は補給が効いたのか、登りきったためか、体が少し楽になる。深い谷を横断後にトラバースの踏み跡があったのも助かった。9は難しい上に完全に日没でどんどん視界が悪くなる。トラバースで進むが、CP付近は予想通り1本の沢というよりは細い沢の集合体みたいな地形で判然としない。対岸の地形との相対からこの辺にあってほしいという位置で周囲を見渡すと20mぐらい先に発見。結果的にほぼロスなしで到達。ここはやはりバテがタイム比にでている。

9-10-11-G 55:35 Ave3 33:36
ここからはナイトナビゲーションになる。ただし技術的には難しくはない。10はオーバーランを注意しつつ発見。10からは非常に急斜面だが、地図に出ていない道も活用し案外問題なく下れた。対岸の山にもいくつかのライトが見え、眼下にはテントサイトの無数の明かりが見え美しかった。夜間のためトップタイム比は良くない。

フィニッシュでスプリットタイムのプリントを受け取ると、16位とのこと。レイトスタートであったが、実タイムの記録となっていて一安心。途中体力的に苦戦したもののナビゲーションのロスは小さく、中位より上に位置していたので、きちんと戦えている。明日も頑張ろうという気持ちで就寝することができた。

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2015年11月 4日 (水)

TheOMM 参戦記 その1

昨年、日本での第一回大会が開催されたOMMレース、今年は50年近い伝統のある本場イギリスのTheOMMに参加してきました。

Img_4259

OMMとはオリジナルマウンテンマラソンの略である通り山を走る競技ですが、トレイルランニングではなくストレート種目はオリエンテーリング、スコア種目はロゲイニングに近いナビゲーション競技です。

特長としては2日間行動するための装備一式を背負うこと。初日のフィニッシュがそのまま幕営拠点となり、翌朝スタートとなります。以上のことから、走力、地図読み力、野営といった山での総合力が要求されるレースです。

私は昨年の日本大会の準優勝メンバーの山田高志君と最上位のエリートクラスに参加しました。エリートクラスは他のクラスと一線を画したタフなコースのため、主催者側で出走にふさわしいかある程度選抜があるとのことで、私たちは日本のチャンピオンとして出走を認められての参加でした。

コース距離は2日間でおよそ80㎞で比高は6000mほど。プロフィールからロングのトレイルレースより短いですが、コース距離はあくまで直線で、自身でルートを決める必要があること、荒野を行くこと、荷物を背負うこと、更には気象コンディションなどから、単純に距離では判断できない厳しさがあります。

■準備&装備
今回チームとしての練習は特にしませんでしたが、我々のチームは過去2010年にロゲイニングの世界選手権にも参加しています。私はテント泊山行きを何回かこなし、山田君もトルデジアン参戦やグレートトラバースの撮影スタッフなど山に入っている日数は多いです。私自身は9月が体調が良くなく、UTMF棄権などありましたが、そこから1か月かけてじっくり立て直しました。

装備はいつくか新調するなどして、以下のように準備しました。

[ザック]
OMMクラシック25

[行動着(一部兼防寒着)]
防水ウェア上:OMM・イーサージャケット
防水ウェア下:モンベル・トレントフライヤーパンツ
長袖ベースレイヤ*3(初日用、夜間~2日目用、予備)
モンベル・ウルトラライトジャケット
ノーネーム・7分丈パンツ(2日間とも)
ロングソックス*2(初日用、夜間~2日目用)

[ウォームウェア]
パタゴニア:ウルトラライトダウンジャケット
ユニクロ:ヒートテックタイツ

[シューズ]
ノースフェイス ウルトラトレイル

[スリーピングシステム]
シュラフ:ナンガ UDD BAG 180DX
マット:ニーモ ゾア20S
カバー:SOL エスケープヴィヴィ

[食料] 
・夕食/朝食
カップ麺リフィル*2、アルファ米*2、柿ピー*2、コーヒー*2
(※予備食料:卵スープ*1、サラダパスタ120g、パスタソース)

・行動食2日分
HIGH5 ジェル*9
HIGH5 スポーツバー*7
アミノバイタル*4
電解質タブレット*6(水500mlに1個)
山よりだんご*1

※ゴールで食料が余っていないといけないため

[テント]
二ーモ・ホーネット2P
その他必須装備(ライト、ファストエイドetc)

以下、時系列でレースの参戦記になります。

■出発~スタートまで
10月22日、昼まで仕事して夕方自宅を出発。成田で山田君と合流。
22日成田22:20発-23日エディンバラ13:10着のドーハ経由のフライト

成田からエディンバラまでほぼまる1日(ドーハにて4時間ほど乗り継ぎ待ち)だが、夜便のため比較的睡眠は取れ、あまり苦痛ではなかった。どちらも長めのフライトのため、機内食は計4回でる。栄養価はともかく腹はそこそこ満たされた。

ここからスタートまで、「時間」をキーワードにした話をひとつ。

イギリスではサマータイムがあるが、その切り替わりが10月末の週末となっている。OMMの初日はサマータイム、2日目は標準時となる。これは毎年のお決まりとのこと。つまり到着する日はサマータイムであるが、このあたり我々はリサーチ不足で事前に確信をもてていなかった。そこで、機内モニターのエディンバラ到着時刻は12:30ということになっていたので、私もちょっと早くついたなあと思いながらも、時計もそれに合わせることにした。

入国審査等をすませ、私の時計で13時前に到着ロビーに着く。村越・田島チームに13時半にレンタカーでピックアップしてもらう予定でいたので、ちょっと余裕があるなあと思いながらwifiをつなぐと、りかさんから少し遅れて14時に着くという連絡が入っていた。続けて渋滞でもうちょっと遅れるかもと連絡がある。そしてりかさんがやってきたのは私の時計で14時10分頃。りかさんはなぜか「かなり待ったでしょ?ごめんね」と言っている。

会場に向かう車の中で、冒頭のサマータイムの切り替わりの話を聞く。2人も昨年2日目朝に戸惑ったそうだ。それは2日目じゃ気をつけなければいけないな、と思う。以下、私の時計で話を進める。

途中よろずやで買い出しをして15時半に会場着。受付を済ませ日本のメンバーと談笑しつつ、夕食としてハンバーガーを食べる。17時頃にテントサイトに移動し、テントを張り始める。レース前はひとり一個でくつろげるように準備した。そしてすぐにあたりは薄暗くなった。

風は強く、次第にテントを叩く雨音も聞こえ始める。夜間2回ほどトイレに行ったがそれほどひどい雨ではなかった。寒さもそれほどではない。が、翌24日夜が明け始める6時頃から雨脚が強くなる。すっかり明るい7時にテント撤収開始するが、土砂降りでしばし呆然。水を含んだテントが重い&容量増大。どよんとした気分。

イベントセンターへ移動し、屋根の下で一息つく。スタートエリアまで15分歩き8時20分に到着する。我々のスタートは8:31~8:45。同時スタートらしき選手も大勢いて、いよいよだなと思う。

さあスタート枠に入るぞと前へ進むと、役員さんに「どのクラス?」と聞かれたので、「ELITE CLASS!」と胸を張って答える。すると、「Lateだ、カモン」と言われ、若干時間前だが、スタート枠へ案内される。

意味がわからずにいると、時計を指差している。

なんと時刻は、、、9時半を示していた。

ここで初めて気がついた。そもそも昨日から全て1時間ずれていたのだと、、、、

(レース編1日目に続く)

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2015年4月 2日 (木)

全日本大会

久々の更新です。先週末はオリエンテーリングの全日本大会(ロング種目の日本選手権)でした。

昨年はUTMFと日程が重なってしまったため10数年ぶりに不参加でしたが、今年はUTMFが秋になったこと(昨日抽選結果の発表があり、無事当選となりました)、また、3月は他のレースも入れなかったので、このレース一本にしぼることにしました。

2月に早大大会に出走し、2位になったものの登りに弱さを感じたので登り強化のメニューを取り入れ、また、長い距離にこだわる必要がないためスピード強化にも取り組む時期と考え、積極的にロード練習も取り入れました。疲れがたまりかけた時期もありましたが、最終的には良い感触に仕上げ3月末を迎えることができたと思っています。

前日大会も疲れを残さないように心掛け、当日朝は良い気配でリラックスしてスタートしました。2分後スタートの谷川選手に中盤~後半で追いつかれることはある程度想定し、実際中盤で追いつかれました。そこから粘る作戦でしばらく前後したものの、自分の方がいくつかミスをして後半はかなり離されてしまいました。それでもミスは3分程度だったので、例年通りなら6~10位ぐらいになるのではないかなとゴールした時は思いました。

しかし、どんどん上位に選手が入り、優勝の尾崎選手から9分差の14位という結果になりました。上位は2年前はまだ選手権クラスに出場していなかった選手を含め、若い選手が多かったです。ここしばらく自身のレース数は少ないものの、彼らのレースぶりはラップ解析等でチェックしていて、巡航速度ではすでにかなわないだろうと考えていました。そして今回は各選手ともミスが少なく(大きなミスには繋がらないコースだったと思います)、巡航速度の勝負になったレースだったと感じています。やはり基本はスピード、そして今回のテレインでは登坂力でしょうか。結局、再強化を試みたものの後者が足りなかったというのが自己分析です。

次は、、と考えるとトレーニング的にはできることはやったと思うので、むしろ調整を考えてみることでしょうか。(今回は水曜日に30kmのトレイルをやり、あまり疲れていない気がしたので、木金も朝に森で1時間走り、前日大会も参加。これは以前よりかなりおとなしいが、今となっては表面的に疲れていないつもりなのかもしれない。。)

まあでも、あまり難しく考えてもしょうがなく、同世代のベテラン勢も各々健闘しつつ、若い世代が活発なのはうれしいことなんじゃないかなと思っています。

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岳温泉からの安達太良山(今週末も行きます)

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