OMM Japan 2017
毎年楽しみに参加しておりますが、野辺山を舞台に開催された今年は新設されたストレートAクラスに出走しました。結果はこちら。準備とレース展開に分けて書きたいと思います。
■装備
基本的には例年と変わらない装備だが、今回は天気予報から特に以下の2点の対策を気にしていた。
1.初日の朝が雨
雨のあがるタイミングを念入りにチェックした。
・早めに上がればフィニッシュ時に乾いているので、そのままレインウェアは防寒着として使える
・気温は高めなのでスタート前にやめば着用せずに走ることができる
最終的に今回は両方を満たし、持って行ったのも最軽量のBerghausのヴェイパーライトハイパーシェルジャケットで大丈夫だった。
2.夕方以降は冷え込む
日曜朝は-9℃まで冷え込む予報も出ていたが、直前の予想から気象予測から-3~-6℃ぐらいではないかと想定した(ただしキャンプ地はアメダス観測地点よりも冷えるかもしれない)。
冬用のシュラフも持っているがさすがに重たいので、できれば例年通りNANGA UDD BAG 180DXを使いたい。このシュラフはエクストリームで-6まで対応であり、エスケープビビィとダウンジャケットを着こむことで何とか我慢できるだろうという想定。また予備ベースレイヤは2枚、タイツ2枚、ソックス、グローブは替えを持っていき、乾いたものを着用すること心掛けた。
結果、野辺山のアメダス観測で-3℃、キャンプ地はいくつか情報はあるが-5~-10℃だった模様。なかなか冷えたが防寒対策は足りていたようで寒さはほとんど気にならなかった。またシューズは凍らないようにテント内に置き、ジェルやバーなどはエスケープビビィの中にいれた。トレイルバターは夜中目が覚めた時にちびちび補給していた。
■コース予想
今回は念入りにコース予想もしてみた。キャンプ地は予想通り。ピタリ当たっているCPもあった。地図はA3ノビの縦と予想したが、実際はA3横。北限は予想通りだったが、南側はカットされていた。また2000-2500mエリアは県界尾根とその北尾根と考えたがこれはハズレ。大人数のスコアロングを想定するとリスクが高いのだろう。
前日に公開された地図で再検討すると標高高いエリアはみどり湖方面、地図の範囲から中山峠まで入りそうな雰囲気もあり、その場合相当長いコースになるだろうと想定した。
またルート選択に幅があることも間違いない。野辺山ウルトラマラソン出走経験から林道だと距離が伸びるが、
ほぼ走れる傾斜であることから基本は林道でよく、時々ショートカットを狙うという考えでいた。ショートカットは全て林道だと距離が長くなり脚も足も使うので、時々森をあるいて脚休めをできるというメリットもある(なのでショートカット時は頑張り過ぎない方がよい)
■レース展開
DAY1 29.2km 2080m
S-1
地図を受け取りざっと確認すると、CP1は林道のすぐ近くでほぼ道でつなげるのでまずは易しい区間。途中で谷沿い経由もみえたが、当初プランの林道経由とする。ただ実際走ると少し距離が長いと感じた。後でタイムを見ると谷ルートを選んだという寺垣内/佐藤チームがやや遅く、結果林道で正解だった。
宮西/佐藤 42:00
柳下/市岡 44:10
寺垣内/佐藤 46:53
1-2
ここも当初オール林道を考えていたが、かなり距離が伸びるので谷越えのショートカットルートを選んでみることにした。同じルートを国沢/小山チームが選択していて共に藪を漕ぐ。大きなミスはしていないが尾根上は笹が深くややもたつく。林道経由より5分以上遅かった模様。この日唯一3位以内を逃す。
寺垣内/佐藤 1:16:44
濱/大西 1:21:59
福島/鈴木 1:22:39
---
柳下/市岡 1:23:43
2-3
ルート選択はあまりない区間。最後はショートカットしてみる。宮西/佐藤チームより林道ランのペースがやや遅いか。
宮西/佐藤 36:24
柳下/市岡 38:38
寺垣内/佐藤 38:54
3-4
ルートが大きく分かれる。逆走ルートも見えたが林道に飽きていたのでみどり湖経由で。ここは基本的に歩きで足を温存させた。逆ルートを選んだ宮西/佐藤チームに先行される。ただトイレタイムがあったのでほぼルートでの差はなさそう。プランナーのうまい設定だ。
宮西/佐藤 1:13:24
寺垣内/佐藤 1:16:55
柳下/市岡 1:17:04
4-5
谷の下りで宮西/佐藤チームに追いつく。いつの間に抜かれたのかと驚く。本来谷沿いの小径を利用してCPに近づくプランだったが、我慢できず少し手前で尾根に乗る。笹が深く地形も緩慢でやや不安になったが方向を維持すると笹が薄くなり広い鞍部にCPを発見した。2分半ほど出し抜いたようだ。
柳下/市岡 28:26
安心院/近藤 30:49
寺垣内/佐藤 31:27
5-6
少々焦りがあったか手前で勘違いしてしまうというミスをする。地形が酷似しておりしばらく現在地がわからずかなり右往左往する。道からやり直そうとしたところで間違いに気づく。5分ほどのロス。しかしここは通常のアタックでも難しかったようで上位と1分しか差はつかなかった。
寺垣内/佐藤 28:38
宮西/佐藤 28:53
柳下/市岡 29:55
ちなみにここまで3チームは大接戦だが、寺垣内/佐藤チームは以降遅れだす。
宮西/佐藤 4:55:33
寺垣内/佐藤 4:59:31
柳下/市岡 5:01:56
6-7
直進しつつ谷の曲がりを確認。最後の尾根もイメージ通りで問題なし。
柳下/市岡 9:20
宮西/佐藤 10:53
山北/角田 13:22
7-8
尾根越えのタフなルートを考えていたが、市岡さんの提案でシンプルな街方面大迂回に変更。谷をつめて谷の源頭から方向を維持する。特にロスなしだが、宮西/佐藤チームの4分差。山本/飴本チームにも負けている。もっといいルートがあったか?
宮西/佐藤 39:00
山本/飴本 43:01
柳下/市岡 43:10
8-9
尾根たどりが最短だが、ナビの手数が多いのでそのまま谷を下るルートを選ぶ。多少倒木があったが、道に出てからが早かった。ここで一気に10分差をつめ瞬間的にトップに立つ。
柳下/市岡 22:15
森本/池田 26:29
武井/杉田 28:41
9-10-11-F
林道経由は距離が長く余計に登るので直登のショートカット。ミスはないが多少ペースが落ちていたようで再び3分弱の差。
宮西/佐藤 59:19
柳下/市岡 1:02:51
寺垣内/佐藤 1:10:53
この日はルート選択その他でロスは20分程度。巡航速度でざっと3%ぐらいぐらい負けている。宮西/佐藤チームは終盤でもペースは落ちておらず、佐藤選手は強いと聞いていたが宮西選手の意外な粘りに驚いた。2日目は我々もペースを上げる必要があると感じ、寒かったこともありあまり出歩かず体力回復を図った。
DAY1 23.2km 1370m
宮西/佐藤チームが先にスタートしたかと思っていたらスタートレーンで2分後にいた。(市岡さんはフィニッシュまでそのことに気付いていなかったらしい、、)
S-1-2
ルート選択の余地はほとんどないが、2は尾根たどりのナビゲーション技術を問われる。引っ掛けにも惑わされず集中して駆け抜けた。ここで一旦5分のリードを奪ったのだが、、、
柳下/市岡 35:06
寺垣内/佐藤 41:58
宮西/佐藤 43:27
2-3
つなぎの区間だが、回り込んでのアタックもあるかもしれない。身体が温まったのでレインウェアを脱ぐ。
宮西/佐藤 17:13
柳下/市岡 18:46
丹羽/上野 21:18
3-4
昨日と同じく安全策で街に迂回を選ぶ。アタック手前まで順調だったが手前の谷に入ったことから思わぬ大きなロスにつながった。横から谷に入るがCPが視界に入らず、正しい谷か確信が持てなくなり、周囲から確定されるので時間を費やす。最初に谷に入ってから20分以上のロスだったが、宮西/佐藤チームもウロウロしたようでほぼ同時にCPを発見。昨日の分と合わせて5分差だ。
寺垣内/佐藤 1:04:03
宮西/佐藤 1:10:01
安心院/近藤 1:11:54
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柳下/市岡 1:18:11
4-5
引き離したいところだったが、なぜか市岡さんがゆっくりしていて(追いつかれたと思っていなかったため)一旦先行される。厳しいかなあと思ったが、脚色は一緒のようでそれ以上ペースは上がらず。補給をする余裕もでて先ほどの大ロスから少し落ち着きを取り戻す。
宮西/佐藤 0:23:22
柳下/市岡 0:24:09
寺垣内/佐藤 0:25:41
5-6
林道に出るところで少し前にでる。先行してた寺垣内/佐藤を吸収し、3チーム見える範囲で林道を進む。終盤の登りを走るきることで1分ほど差をつけた。ここを勝機とみて下り基調の素早いアタックを行い、さらに5分差をつけ再び逆転する(差をつけたことはレース中はわかっていない)。
柳下/市岡 0:44:49
宮西/佐藤 0:51:04
寺垣内/佐藤 0:53:27
6-7
短い区間。少しだけアタックで外れるが大きな問題なく済んだ。
宮西/佐藤 5:56
寺垣内/佐藤 6:11
柳下/市岡 6:44
7-8 ルート選択区間だが、尾根ルートはさすがにリスクが大きいで林道を頑張って登る。市岡さんと交互に前を引っ張る。ペースは遅いが8割方走った。ここでようやく勝てるかもと思えた。
柳下/市岡 0:59:04
寺垣内/佐藤 1:00:49
横尾/橋本 1:03:53
8-9-10
ここは谷経由で勝負にでた(昨日寺垣内/佐藤チームが谷経由で少し遅かったことはフィニッシュ後知った)
結果、下りではほぼ変わらなかった模様。9-10は少し用心したがCP位置は易しかった。
寺垣内/佐藤 47:14
柳下/市岡 48:23
宮西/佐藤 50:08
10-11-F
2分半ほど梯子待ちあったがロードに出てからはガンガン走って下った。
丹羽/上野 20:03
安心院/近藤 20:20
寺垣内/佐藤20:26
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柳下/市岡20:43
フィニッシュ後、装備チェックを受けてもまだ確定まで時間がハラハラしたが、5分が経過し優勝が確定しほっとしすぎて全身の力が抜ける感じだった。
厳しい展開だったが、逆転するパターンを経験できたのはよかった。ペースは2日間トータルで考えればよさそう。とくかく大きなロスは避けたい。2日目のCP4も下るのではなく林道の角からやり直せば10分弱で済んだ。リロケート時間の短縮をこれから1年の課題としたい。
Staright A
柳下 大/市岡 隆興
総合優勝 12:55:27
DAY1 7:19:32 / DAY2 5:35:55
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