今回のUTMF、完走率は72%だった。事前に3割とも言われていたので、予想を遥かに上回る素晴らしい完走率である。156km/8500mといわれるコースでこの完走率はトレイルランナーの実力の底上げを感じさせる。
今から7年前の2005年にTTR100という128km/8000mのトレイルレースが開催された時は、150名が出走し、完走わずか11名で完走率7%というものであった。比べると今回はトレイルランナーの大きな進化を感じさせる結果であるが、実はTTR100は制限時間が24時間という大変厳しいもので、制限時間に余裕があればまた違った結果になっていたと思われる。
ではもし今回同等の条件であったとしたら、どのような結果になっていただろうか。
A9本栖湖のエイドが129km地点で距離は同等。そこまでの累計比高はUTMFがやや少なく、エイドは圧倒的充実。まだ先があり若干の余裕を残して通過することを考えると、ほぼ同等のタイムになると考えられる。
TTR(2005)のトップ(市岡さん):18時間8分
UTMF2012の日本人トップ(ヤマケン):18時間11分
実際ほぼ同じである。
そしてA9本栖湖を24時間以内で通過した人数は、37人であった。出走852人に対し4.3%。そのタイム比(24h00m/18h11m=132%)でゴールまでで考えると、21時間15分の132%で28時間03分以内となり、35人で4.1%。TTRの7%に対し、UTMFの4%である。そしてもしエイドが1ヶ所しかなかったら、、少なくとも私はもっと時間がかかっているか棄権しているだろう。
この数値の解釈はいろいろあると思うが、トレイルランナー全般で考えて一つ言えることは、「速く」はあまりなっていないということ(あの時代にTTRで完走者7%も出せたというのは実は凄いことだったのかも)。ただしUTMFの完走率の高さから、「強く」なったとは言えると思う。もちろん48時間という制限時間と、それを支えて下さった大会運営の皆さんの力も大きい。また強くなったとしてもそれを過信せず、リスクは常についてくるものという意識も忘れてはならないだろう。
なお、データはここを参考にしました。他にもいろいろ分かるかもしれません(誰かマニアックに分析してみて)。
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